criminal
□FILE.2 Secret Garden
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「いやだ!じいちゃん!母さん!……ッ蘭子!!」
がばっと起き上がる。そこは、見られない白で統一された部屋だ。
漂っている薬品の匂いは、どこか病院を思わせる。
「!?……いたッ……」
ずきずきと傷が痛む。だが、しっかりと手当てをされていて、傷の部分には白い真新しい包帯が巻かれていた。
「私、炎に巻かれて……あっ、緋岐くん!?」
もしもあれが夢でないというのなら、緋岐も確かに一緒にいたはずである。
捜しに行く為に立ち上がろうとしたとき、初めて自分の手を誰かが握っていることに気が付いた。
その手の方を見ると、そこにはしっかりと紗貴の手を握り締めている緋岐の寝顔があった。
「緋岐、くん……」
無意識の内に、涙が頬を伝う。
「何、泣いてんだ?」
そっと自分の頬に触れてくる感覚にはっとして相手を見ると、そこには苦笑を浮かべた緋岐がいた。