criminal
□FILE.2 Secret Garden
65ページ/94ページ
カルノは、そっと隣で眠る煌の柔らかい蜂蜜色の髪の毛を梳いてやる。
すると無意識なのだろう。
くすぐったそうに身を捩ると、カルノの肩口に顔を埋めるように摺り寄せてきた。
それは、1年経った今も変わらない煌の癖だ。
甘い吐息が肩口に掛かって、カルノは思わず息を飲み込む。
腕枕をしたまま身体を煌の方へ向けると、そのままそっと抱き締めた。
素肌に伝わる体温が、今“ここ”に煌がある事を言葉よりも確かなものとして伝えて来る。
規則正しい寝息に、安堵の溜息を漏らした。
視線を下ろせば、そこにはあどけない寝顔があって。
衝動に駆られるままに、そっと額に唇を押し当てた。
余程眠りが深いのか、煌は微動だしない。