criminal
□FILE.2 Secret Garden
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この1年で少しは成長したつもりだった。
だが結局は、自制のきかない未熟なままで。
欲望のままに、煌を貪った。
「……煌……」
そっと、名を呼ぶ。
「煌、愛してる」
それは、でも、ハジマリにすらならないことを、カルノは重々承知していた。
何度囁いても煌に届く事はないと判っていて尚、手放せないのだ。
「ごめんな?煌……俺は、お前に“ジユウ”をやるつもりはないんだ」
それは、懺悔というよりも宣誓に近い響きを持っていた。
そして、再度強く抱き締める。
今はこの腕の中の温もりが、聞こえる吐息が、伝わる鼓動が本物だと感じていたくて口を噤んだ。