コードギアス
□この手に、ちっぽけな幸せ
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そういうと、ジノが不思議そうな顔をした。
「そんなの決まってるじゃないか」
ジノが当たり前のように言って、僕の手を引く。
「…スザクが、仲間、だから」
「友達だしな。俺たち」
そう言われて、僕はぽかんとしながら皆を見た。
「お前もメンツだろ?」
テンに笑いかけられて、ぐっと目の奥が熱くなった。
涙がでそうで、思わず下を向く。
「枢木?どうした」
ワンが後ろから声をかけてくれたが、
僕は今、それどころじゃなかった。
今さらこんなことで泣きそうだなんて
冗談じゃない。
「…スザク、泣いてる…」
アーニャのつぶやきが聞こえて、僕は顔に熱が集まるのを感じた。
「なんだよスザク、俺たちの優しさに感動したかぁ〜?」
ジノがおどけたようにいうけれど、
今の僕にはそれも涙を増やすもので。
「ほら、泣くな!ディナーが覚める。食べるぞ、枢木」
ノネットさんに声をかけられて、
ジノに手を引かれて、僕はアーニャの隣に座った。
ぽぅ、と蝋燭に灯がともる。
「ほら、消せよスザク」
ジノに言われて蝋燭を吹き消す。
「おめでとう、スザク」
止めたはずの涙が、
また溢れ出そうになった。
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