†long†

□スィートビター
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あたし、こと藤森 綾音、16歳、高校2年生。
あたしがいるのは生徒会室の扉の前。
あたしは先週にあった生徒会選挙で副会長に選ばれて、今日初めての顔合わせがある。

この扉の向こうにはもう“あの人”がいるかもしれない……。
そう思うと扉を開けるのを少しためらってしまう。

「入らないの?」

声をかけられて振り替えると会長になった朝霧 棗くんがいた。
整った顔立ちにサラサラの栗色の髪。
女子から人気がある。

「入らねぇなら邪魔」

その後ろから冷たい声を響かせたのは福原 忍くん。
朝霧くんと人気を二分するくらいの男前。
だけど朝霧くんと違って冷たい。
女の子たちから騒がれても無視している。
父親が福原コーポレーションという、大きな会社を経営している。
そして、あたしと同じ副会長……。

福原くんに睨まれて慌てて扉を開けた。

生徒会室には3人の男女がいた。
1人は有島 桃子。
あたしの親友で同じクラス。
役職は会計だ。
あとの2人は1年生みたい。

今日は顔合わせと年間予定表の配布だけみたい。
順に自己紹介していった。
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