†long†
□止まない雨 改稿版
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ざぁざぁと降りしきる雨の中、目の前には鋭い爪に貫かれたよく知った女の後ろ姿。
ずるりとその爪が抜かれると、女はゆっくりと崩れ墜ちていった。
遠くで雷鳴が響く。
暗闇の中、その光景だけで鮮明に目に焼き付けられる。
少女は声を出すことも出来ず、ただその姿を見つめることしか出来なかった。
「……っっ!」
目を覚ました女は起き上がって額の汗を拭う。
「またあの夢か……」
ふと外を見ると激しい雨が降り、雷鳴が鳴っている。
あの時と同じ雨のようだ……。