†short†

□1万HIT記念小説
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碧――

お前は今、何してる?

どこかで俺のこと見てるのか?

碧がいなくなって、俺は変わることができるのだろうか――


「おはよぉ」

俺はあれから毎日学校に行くようになった。
みんな、遠巻きに俺を見るなか、普通に近付いてくる奴がいた。

「おぉ……」

適当に返して席に座る。

「なんやぁ。つれへんなぁ」

その男、政岡昭広は関西出身らしい。
うさんくさい関西弁だ。

「お前、何で俺にかまうんだ?」

「ん〜。何でって、お前、おもろそうやし」

「…………」

最近、すっかり政岡のペースに巻き込まれてるが憎めない奴だ。

「……お前、何考えてる?」

「えっ?」

 はっと我に返った。
ぼんやりしていたらしい。

「何かよく遠くを見とる。っていうか、何か考え込んでる」

図星だった。
そういう時はいつも、碧のことを考えていた。

碧のように強くなりたいと思った。
碧の出来なかったことをしてやりたい、とも思った。
でも、実際は何も出来ない俺。

碧はこんな俺をどう思う?
情けないかな?

「ほらまた。あんまり思い詰めてもええことないで?」

「お前には関係ないだろ」
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