氷帝short

□繋がる小さな愛。* 誕生日 甘
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「もしもし!景吾!」

「皆揃ってなんだ?」

良くは聞き取れないが
奥から宍戸や日吉などが騒ぐ声がする。

「あのね、景吾…」

と陽がいい少し間が開く。

「アーン?」

そして、小さく、
「せーの!」
と聞こえたと思うと

「「誕生日おめでとう!!!」」

「…!」

皆の声がする。

聞こえた?という陽の問いに

「…フッ…お前ら餓鬼かよ…」

餓鬼とちゃうわ!
なんだよアイツ祝ってやったのにクソクソ!
芥川先輩まだ寝ないで下さい!

と色々な声がする。

「聞こえない訳ないだろう。
この俺様に。」

心なしか声が弾んで聞こえた。

「景吾…」

「なんだ?」

「…誕生日、おめでとう。」

一番欲しかった言葉。

「…ありがとよ。」

「うんっ!」

当然!と笑う陽。

「陽…。」

「なにー?」

「好きだ、愛してる。」

後ろで冷やかす声も
もう聞こえない。

「私も…。」

「今日はすまねぇな。」

「景吾は悪くないよ。」

「ありがとよ…」

「ううん…。」

「それじゃ切るぜ?
ヤツ等にもよろしくな。」

「うん…!」
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