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□時の波にさらわれても。
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「ごめんな…」

小さな背中に声をかける。

もしもあの時、
俺がアイツでアイツが俺なら
フウカの悲しい顔は見なくて済んだ?


の波にさらわれても。


「ジョージ…」

目を涙でいっぱいにしても尚、
相棒と同じ姿をしていた俺を
真っ直ぐ捉える。

「ごめんな…俺で…。」

はっとした顔をして、
視線を床に落とす。 

「…あなただけでも
無事に生き残ってくれて
本当によかった…。」

「でも…顔も何もかも一緒なんだぜ?
相棒をやった奴だって
どっちかなんて絶対に
分からなかったはずだろ!」

「そんなこと言ったって
フレッドはもう帰ってこない!!」

「…っ」

そうだな…
と小さく呟いた。

「それに、フレッドとジョージ、
あなた達は別人よ。
代わりなんていない…私の大切な…っ」

この先は言えなかった。
ジョージに優しく抱きしめられたから。

「そうだよな、ごめん…」

「ううん、いいの…。
だからジョージ、お願い。
フレッドの分まで生きて…。
フレッドが見ることができなかった、
ハリーの勝利を、平和な魔法界を、
そして、明るい未来を、
あなたが一生懸命生きて見届けて。」

「あぁ…。もちろんさ。」

「ありがとう…。
責めるとでも思った?」

「…。」

「ジョージ…?」

「…ごめ、んっ…。」

「…泣いていいの。
我慢する必要なんかないよ…。」

彼女の肩に顔をうずめ、
声を殺して泣いた。

こんな情けない姿相棒に見られたら
一生からかわれるだろうなぁ、
それとも、俺の姫だぞ!
って怒られるかな…。
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