HPlong

□空気クラッシャー
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魔法薬学の授業は地下牢で行われた。

「やぁ、ハルキ、ハリー。」

「あ、アキラ!最近どう?」

地下牢の入り口でばったり会うことができた。

「この子がハルキのお友達かい?」

まぁね、というハルキをよそに、
ロンがアキラを上から下まで眺めた。

「何?」

「いや、なんでもないよ、よろしく。」

席へと向かった。
スネイプが出席を取り始める。

「どうして彼女は制服が…違うんだい?彼女であってるんだろう?」

小声でロンがハルキに耳打ちをする。

「間違えて届いたらしいんだ…。」

「そんなこともあるのかい?」

とハリーが首を突っ込んだが、スネイプの呼名がハリーのところで止まったので
話の続きは中断されてしまった。
怒られるかと思いきや、

「ハリー・ポッター。我らが新しい…スターだね。」

マルフォイ率いるゴイルたちがクスクスとわざとらしく笑う。
が、それも途中で中断される羽目になる。
何故なら後ろの席からアキラがマルフォイの足を蹴ったからだ。

「先生。早く授業に入りましょう。時間の無駄です。」

眉間にしわをさらに寄せ、再び出席を取り始めた。
続けて一通りの授業説明を終えたところで、

「ポッター!アスフォデルの球根の粉末に、ニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」

え、何の粉末を、何を煎じたものに加えるって?
スネイプの問いに答えられず、ハリーはロンをチラッと見たが、
その視線をパスするかのようにロンはハルキをみた。
ハルキは小さくため息をつき、首を横に振った。
案の定、ハリーを含む三人はお手上げ状態だった。

「わかりません。」

そうハリーが答えた。
再び笑うマルフォイたち。

「有名なだけではどうにもならんらしい」

これでもかと言わんばかりに手を伸ばしている女の子は無視され続けている。
続けざまにスネイプから質問が飛ぶが、生き生きとしているのは彼女だけだった。
静まり返る教室、にらみ合い火花を散らすハリーとスネイプ。
お構いなしに手を上げ続ける女の子。

許されるのなら誰もがこの空間から出たいと思っていただろう。
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