氷帝short

□繋がる小さな愛。* 誕生日 甘
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こんな誰だかわかんねぇヤツ等に
祝ってもらっても有り難みさえ感じられない。





「坊ちゃん、そろそろお時間ですよ?」

「出たくねぇ。」

気分が乗らない。

「…と申しますと?」

「そのまんまの意味だ。」

顔を渋らせて言う。

「そう申されましてもですね、
各企業の社長様も来られてるわけですし
ステージに立たれて頂かないと…」

「テメェ、俺様は見せモンじゃねぇぞ?
わかって言ってるんだろうな、アーン?」

「…。」

「聞いてんのか?」

「…申し訳ございません。」

「謝ったって俺様は行かねぇが。」

「違います。」

「ならなんだっていうんだ?」

ゆっくりと話しだす。

「私としましては景吾坊ちゃんのご友人達の
お誕生日会を優先させていただきたいと感じ
先程関係者の方に申し上げたのですが、
私が非力だったために…
申し訳ない…。」

「…。」

「代わりと言っては何ですが
私の方で上手く言って
時間を取らせて頂きますので
どうか先程からのお電話をお取り下さい。
きっと大切な方々からではありませんか?」

ふとテーブル上携帯に目をやる。

携帯を開けた。


「フッ…」


「では、私めはこれで。」

満足そうな顔で部屋を出ていった。


しばらく携帯の液晶を眺めてから
困った表情をし、

「コイツらは馬鹿か…」

と笑った。

「仕方ねぇな…」
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