立海short

□両思いだったら、いいと思う
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私の視線の先にはいつも赤い夕日があるんです。


そう貴方に伝えたら不思議そうに首を傾げるから、私は思わず声を上げて笑った。

●●●

今日は朝からついてると思う。

朝の星座占いで一位だった。「好きな人に告白するチャンス!ラッキーアイテムはペンギンのキーホルダーで〜す!」なんてふざけたノリで言うアナウンサーを鼻で笑いながらもラッキーアイテムのペンギンさんはちゃんとつけたのは記憶に新しい。

一年の私は、三年の先輩たちに比べてあの人に会える確率は少ない。なのに登校中にあの赤が見えた。自分ではそこらのミーハーみたいに、姿を見たらセットしたての髪がボサボサになるほど走って追いかける、なんてことはしないと思ってたのに、見かけた瞬間ダッシュ。自分でもビックリだけどそれ程までに好きなんだ、と思うと嬉しくなった。今まで恋なんかしたことなかったからかな?

「丸井せーんぱい☆」
「うおッ⁈」

背中から突撃してみせれば私に突き刺さる視線。ふふん、いいでしょ?私は貴方たちみたいに遠巻きに見てるだけじゃないんだからね!そんなことを思いながら丸井先輩を見ていたら彼はあからさまに呆れた顔をしていた。

「ビックリしました?」
「おう、したした。だから明日から止めろ」
「嫌です。先輩の驚いた顔をみたい後輩のために頑張って寿命縮めてください」
「ドS発言⁉それ遠回しの死ねだろぃ⁉」
「あれ?遠回しに聞こえました?案外ストレートど真ん中狙って言ったんですけど…。鈍感な丸井先輩には理解が難しかったですかね?」
「…」

本当に鈍感。今まで数知れずアタックしたのに全然気付かないし。お陰で近づくことは出来たけど未だに後輩だとしか見られてないし。

私はこの気持ち、打ち明けずになんかおわらないんですからね!

●●●

「何なんだよ##NAME2##?急に教室にきたと思ったら引っ張って…」
「まだ分からないんですか?」

放課後に校舎裏に呼び出しなんてベタな展開、告白しかないでしょうに。しかも異性にモテるんだから今まで仰山あったでしょ、こんな展開。もしかして告白しても持ち前の鈍感さで避けた、とか?

「はあ…。」
「溜息⁈俺のセリフだろぃ⁉」
「ここまで来ると、鈍感て言うよりか只のバカですね。」
「いきなり呼び出していきなりダメだし…」

ダメだしも言いたくなります、なんて言ってもう一度溜息を吐く。

「おい!バカとか鈍感とか、さっきから何先輩のこと貶してんだよぃ!」
「じゃあ今から出す問題に答えられたら撤回しまーす。」
「やる気無ッ⁈よし!ぜってー正解してやる!」

無理ですね。確実に。だって貴方とは一番無縁な問題だから。

「ちゃーらん男の子が女の子に放課後に校舎裏へ呼び出し、さてこれから何が起きるでしょうか。」
「え?決闘とかか?」
「ああダメだこいつ」
「は⁈」

なんで女の子が男の子にケンカ売るんだよ。てかその女の子何なんだよ。普通に負けるだろ。

私はどうでもよくなって三度目の溜息。やたらと丸井先輩が騒いでるけど謝る気はない。先生から怒られても謝る気はない。大切なことなので二回言いました。もういいです、と伝えるとあからさまにむくれる先輩。

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