立海short

□Shooting Star
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電話…?
あぁ…赤也君か

「なぁ、先輩。」

「ん?」


Shooting Star

「しゅーてぃんぐすたーってなんだ?」

「は?」

いきなり何かと思ったら
そんな事か…。

「だから…しゅーてぃんg」

「あぁ、アンタ馬鹿なんだっけ?」

「ちょ、陽先輩!」

「自分で調べなこのワカメ。」

「わ…ワカ…ッ…」

赤也の声が震える。
電話の向こうで涙目になっているのが
安易に想像できてしまう。
そういう所は可愛い。

「嘘、ごめん。」

「先輩ふざけないで下さいよ!俺マジ焦ったっスから…!」

「ふふ、可愛い、」

「は?何言ってんっスか?そんなら先輩の方が…」

「私の方が?」

「だぁーっ!なんでもねぇっス!!」

…やっぱり可愛い。

「…っじゃなくて!」

「あぁ、」

「…陽先輩?」

チラッと時計に目をやる。

「うん、間に合いそうだ。」

「何がっスか?」

「んー、まぁ、ね」

「まぁ、ね、じゃないっスよ!」

「赤也君。」

「何っスか?」

「今から10分後にいつもの公園。」

「は?ちょ、陽先輩意味わかんn」

ツー…

ツー…ツー…
…切られた。

「チクショーっ……へへッ」

しかし、陽に会えるのは実に楽しみで
目にも止まらぬ早さで準備を済ませて
鼻歌交じりに家を出た。

約束の公園へとすぐにたどり着く。
見慣れた後姿は既にそこにあった。

「陽先輩っ!」

「…赤也君。」

「遅くなってすいません!」

「…いや、まだ2分前だけど…。」

赤也がため息をつく。

「はぁー…。俺は陽先輩を待たせた事に謝ってるんっス!」

「…ぇ、ぁ、今来たばっかりだから…。」

「ならよかった!それで、何の用っスか?」

「いや、ShootingStarを教えたくて。」

「…?あぁ!なら電話でもよかったんじゃ…。」

「じゃぁ帰る。」

「ちょっ、先輩!すいませんって!」

「…会いたくなったから呼び出したのに、悪かった?」

「…!?///」

「それに、」

「それに…?」

「そろそろだから。」

陽の声を合図にしたかのように
満天の星空を一筋の光が走る。

「ぁ、先輩“流れ星"っスよ!」

「知ってる、答えわかった?」

「へ?知ってるって?」

「まだわからないの?やれやれ…。」

「ぇ、っと、はい…。」

「わかる?」

満天の夜空に向かって陽
は指を指す。
また一筋。光が流れる。

「あれがShootingStar。」

「…!!流れ星の事だったのか!」

「わかった?」

「もちろんっスよ!」

そういって赤也は陽を抱きしめる。

「ばっ、ちょ、何やってんの…///」

「…!//」

陽の照れた顔が可愛くて
赤也の顔も染まっていく。

「あ、あの、赤也くーん//」

「わっ、」

「ぇ、どしたの?」

「いや、その…やっぱり先輩は可愛いっス!!」

また抱きしめる。

「ほ、褒めてもなにも、でない、から…ね!///」

「別にいいっス!何かが欲しくてやってるんじゃねぇっスから!」

「そ、そう…」

ゆっくり背中へ手を回した。



流れ星への願いごと

ずっと私と君が側に居れますように。

ずっと俺と先輩が側に居れますように。



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