刀剣乱舞

□着任いたします
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「この桜の木を媒体に、本丸のある地区を覆った。AからH-d地区の範囲内にいれば、怪我は自然に治る。」

なんてことないように、そう告げた目の前の人は、本日付でこの本丸を継がれた新しい審神者様。

「なんと、凄まじい霊力…」

かわいそう、そう私めを見て呟いて、桜の樹に額を寄せたかと思うと、まるで審神者様の鼓動のような、水面に落ちた雫が広がるような、心地良く、広大で、そして言葉の通り凄まじい霊力が、この本丸に広がっていったのです。
触れた先から全てのものを清めた莫大な霊力は、それでもなお桜の樹に留まり続けて、絶え間なく恩恵を与えてくださる。

「空が…」

隠れた襖の奥から、幼い(きっと短刀のどなたかの)声が、小さく響いてくるほどには、澄んだ空が眩しい。
風に揺れて、桜の花びらが本丸を覆うように舞っておりました。


「地図は替えがあるので、これはこんのすけが持っていて。鍛錬の邪魔にならないよう、道場のあるC地区は範囲外。鍛錬でできた傷は、母屋のあるA地区まで戻ってくること。」
「こ、細かい地図ですね」
「雑把では管理もできない。この本丸での1日の過ごし方はこちらで決める。一先ず、ここの掃除から。」
「刀剣に掃除ですか?」
「自分のケツは自分で拭うのに、何の疑問がある?」





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