黒子のバスケ

□序章
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霧が深い午後1時。
こんな時間に外に出る者は早々いないだろう。
しかし、二つの足音が聞こえてきた。

「ったく・・・おい!テツヤ!何でこんな日に外に出にゃならんのだ!」

男はテツヤという男に怒鳴りつける。
テツヤはやれやれというかのように顔をしかめつけた。

「僕は一度言いましたよ?」
「うるさい!早く言え!!」

男が怒鳴りつけるようにいうと、テツヤは大きくため息をつくと同時に右手を挙げた。

「おいっはやk『バァンッ!』

どこからともなく銃声の音が聞こえる。
その音と同時に男は倒れ込んでいた。

「あなたは殺されに行きますよ・・・と言ったんですが、もう遅いですね」

テツヤは男に触れることなくそう口にした。
男の頭は真っ赤に染まっている。
しばらく死体を見ていると、草むらからがさがさと音が聞こえてきた。

「黒っち、終わったッスか?」

黄色い髪をした男がテツヤに・・・黒に歩み寄ってくる。
黒は草むらから出てきた彼のほうを向いた。

「ええ。黄くんが上手に撃ってくれたので終わってます」

先ほど拳銃で男を撃ったのは黄と呼ばれる男だった。
黄は自慢げに黒を見る。

「よかったッス。コピーできなかったらどうしようかと思ったッスよ」
「いや。君のコピーは完璧ですからね」
「そうッスか?」
「そうですよ」

そんな会話をしながら二人は死んだ男の死体を見た。
脳天に命中させたこともあり、血がドバドバと出てきている。
もう少しすれば黒や黄にも届くほどの量になる。

「これ、どうするッスか?」
「まぁこのままでもいいと思いますが・・・」

どうするか考えていたその時、突然無線が鳴った。
黒と黄はすぐさま無線をつけた。

「はい、こちら黒です」
『黒、黄、お疲れ様。その死体はそのまま捨てていても問題ないだろう』
「りょーかいッス」
『では仕事は終わりだ』

そこで無線は切れた。

「それじゃあ帰りましょうか」
「そうッスね」

黒がそういうと二人は別の道を進んでいった。
足音もせずに・・・












黒と黄が向かった先は喫茶店MiraciEの裏口。
入ると中はとても暗かった。
しかし、奥からひとつの明かりが見えた。
二人はその先へ向かうと、火のついたロウソクがひとつあった。
4人の影の中、座っている人が二人に話しかけた。

「おかえり。どうだった?」
「まあ簡単でしたよ?向こうもバカで・・・まるで青くんみたいでしたよ」

黒はそういいながら青と呼ばれる男のほうを向いた。

「青っちったら黒っちにバカって言われてる!」
「黄君もですよ」
「え?俺もっスか?!」
「はっ!てめぇもいわれてんじゃねーか」
「うるさいっスね!」

しばらく青と黄が口げんかをしていたが一人の男により納まった。

「ダメでしょ二人ともー。赤ちんが怒るよー」
「紫っち・・・」

紫と呼ばれる男は二人から離れると、赤の隣でお菓子を食べ始めた。

「まったく・・・お前らいつになったら仲良くなるのだよ」
「そんな大きいワッキーアイテムを持っている緑君も何かといえませんよ」

緑が持っているラッキーアイテムは自分の身長ぐらいのトーテムポールだった。
こんなものどこから持ってきたのだろうか。
皆それが不思議で仕方がなかった。

「さて、今日の仕事は終わりだ。みんな、ゆっくり休んでくれ」

『イエッサー』


赤の一言でそれぞれの部屋に帰って行った。

こうしてキセキの仕事は一段落ついた。


END
 

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