黒子のバスケ

□あれからまた
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初めて出会ったのはいつだろうか。
もしかしたら、前にもどこかで会っているのかもしれない。
しかし、今のオレにはわからない。

ねえ、赤司っち。
オレはあんたとどこかで一度会ったことある?
一度じゃない。
ずっと・・・ずっと前に・・・出会った気がする。
根拠はない。
ただ、なんとなく思っただけだ。




お前は覚えていないだろうが、ボクは覚えているよ。
ずっと、ずっと前に僕たちは出会っている。
ボクはずっと待っていたんだよ。

なあ、涼太。
ボクはお前が来るのを待っていたよ。
何年もずっと待っていたよ。
覚えていなくてもいい。
ボクが望むのは、涼太と一緒にいることだ。




「赤司っち・・・」

「ん?どうした?」

「変なこと聞くけど・・・もしかして、オレと赤司っちってどこかで出会ったことあるっスか?」

「・・・どうしてそんなことを聞くんだい?」

「ずっと引っかかっていたんスよ」

「・・・そうだね。あったことがあるよ」

「本当っスか?!いつ!?」

「・・・ずっと前だよ」

「ずっと前って?」

「・・・さあ?年なんて数えてないよ。ボクはずっと涼太が転生してくるのを待っていたからね」

「え・・・」

「何百年くらいかな?」

「・・・そんなに長いこと待っていたんスか?」

「そうだよ。それが、涼太との約束だったからね」

「約束・・・?」

「ああ、約束。でも、それは教えない」

「・・・どうして?」

「自分が言った言葉だ。自分で思い出せ。・・・お前なら何度でも思い出せるはずだ」

「・・・わかったっス。じゃあ、思い出すまで待っててくれる?」

「・・・ああ。待っているよ」

「ありがとう。オレ、頑張るね」

これが、中学2年の話。

その話から黄瀬は赤司に話しかけることはなく、赤司も黄瀬に話しかけることはなかった。
そして迎えた春。

黄瀬は、満開に咲いている桜の花を眺めていた。

(懐かしい・・・
 前にも桜を見て考え事をしていた気がする。
 そう、それは・・・)

順を追って考えをまとめていく。
すると、黄瀬は急に走り出した。
向かう先は・・・

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