黒子のバスケ
□君はどこにいる
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「ねえ黄瀬。お前はオレのことどう思っている?」
「え?」
それは唐突な質問だった。
赤司っちのことをどう思っているのか?
「そんなのわからないっスよ」
「・・・そうか」
急にどうしたんスかね、赤司っち。
いつもはそんなこと言わないのに・・・
何か理由でもあるんスかね?
「なんかあるんスか?」
「・・・まあ、あるにはある」
あるにはある?
よくわかんないっス。
「どういうことっスか?」
「オレはね、お前のことが好きなんだよ」
・・・
ちょっとまって。
今なんて言った?
え?告白?
誰に?オレに?
「えっ!?」
「ずっとお前をいていたんだよ。バスケをするお前を・・・」
「えっと・・・気持ちはうれしいんスけど・・・オレ、そんなこと考えてなくて・・・だから・・・」
「・・・すまないな、急にこんなこと言ってしまって」
「そんなことないっスよ!?赤司っちに言われるのはすっげーうれしいんス。でも、好きってのがいまいちわからないんス・・・
だから、赤司っち。オレにその感情を教えて?」
自分が赤司っちをどう思っているのか。
それは自分でもわからない。
だから、赤司っちに教えてもらおう。
「・・・わかった」
それからオレは赤司っちと一緒に過ごすことが多くなった。
なぜだかわからないけど、赤司っちといるとすっげー落ち着くんスよ。
この気持ちがなんなのか。
赤司っちに聞くのはちょっと恥ずかしいから、桃っちに相談することにした。
「きーちゃん。それは“恋”だよ」
「こい?」
「そう。きーちゃんはその子に恋をしてるんだよ」
恋。
それは赤司っちに教えてもらう感情で。
オレはもう赤司っちに教えてもらっていたわけで。
じゃあオレは、赤司っちを・・・
「ありがと、桃っち!」
「どうしたしまして」
オレは桃っちにお礼をすると、すぐさま走り出した。
向かう先は、赤司っちのところ。
多分この時間帯は部室にいるだろう。
オレは部室のドアを思いっきり開けた。
中には思った通り、赤司っちが驚いていた。
「どうした、黄瀬?」
「あのね、赤司っち。オレねやっとわかったよ」
「わかった?何が?」
「オレね、赤司っちのことがね好きってことがわかったんス」
オレがそういうと、赤司っちはすっごく驚いていた。
それでも、すぐ笑っていた。
「じゃあこれで両想いだな」
「・・・はいっス」
やばい。
今すっげー恥ずかしい。
でも、それ以上に・・・うれしい。
でもそんな日常はすぐに消えた。
赤司っちがいなくなった。
紫原っちとの1on1でいなくなってしまった。
「赤司っち・・・」
「どうした、涼太。ボクになにか用でもあるのか」
「・・・ううん。なんでもないっス」
「そうか。お前も練習に出なくてもいいからな。モデルをやっていればいい」
それだけ言うと赤司っちはさっさと歩いてしまった。
ねえ。
オレの愛した赤司っちはどこにいるんスか?
えんど