黒子のバスケ

□台風
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高校設定


「ねえ知ってる?」

「知ってる知ってる!もうすぐだよね!」

「あー早くこねえかなあ・・・」

「学校休めるもんな」


もうすぐ台風が近づいてくる。

でもオレは台風が嫌いだ。

学校がなくなるから部活もできない。

でも、それだけじゃない。




オレが怖いのは・・・




***



『ただ今、警報が出ているため生徒たちは直ちに下校しなさい』


「よっしゃああああああ」

「風強くなる前に帰ろうぜ」


ああ・・・

みんな喜んでいる。

学校がなくなることに。

でもオレは帰りたくない。

外に出たくない。




・・・電話してもいいかな


赤司っちに・・・


でも、授業中だったら出ないか。


でも・・・一回だけでも・・・



オレは携帯を取り出すと、一番上にある履歴を押した。


一回。


二回。


三回。



やっぱり授業中かな・・・



あきらめようとしたその時、電話から声が聞こえた。



『もしもし、涼太?』

「え?赤司っち?」

『そうだよ。お前がかけてきたんだろ』



確かにオレから電話は掛けた。

でも・・・

え?


「赤司っち、学校は?」

『ああ・・・今日は休みだよ。台風が来ているからね』

「あ、そっか。赤司っちは京都だったっスね」

『お前がかけてくるということは、学校は終わったってことだね』

「そうっス。警報が出たらしいっスよ」

『海が近いからな。波浪警報だろうな。それで、どうしたんだ?』


そう。

そっちが本題だ。


「あのね・・・今学校なんスけど・・・家に帰りたくないんス」

『・・・そうだろうと思ったよ。だから・・・迎えに来たよ』

「え?」

『校門を見てごらん』


黄瀬は言われたとおりに教室の窓から校門を覗いた。

するとそこには傘をさして電話を耳元にあてながらこちらを見ている赤司がいた。


「え?どうして・・・」

『お前は昔から台風が苦手だっただろ。だから迎えに来てやったぞ』


遠くからなのであまりわからないが、たぶん笑っているだろう。

黄瀬はそう感じ取れた。


「・・・ありがとう」

『どういたしまして。さあ、降りておいで』

「はいっス!」


そういうと黄瀬は、カバンを持ち走り出した。




おまけ


帰り道

黄瀬は赤司と並んで歩いている。


「そういえば、赤司っち。どうして学校が終わるってわかったんスか?」

「ん?まあ計算したってところかな」

「うーん。オレにはよくわかんないっス」

「そうだね」

「ねえ。送ってくれたら帰っちゃうんスよね・・・?」

「・・・普通ならそうだね」

「?」

「涼太がさみしがると思って最終に乗ることにするよ。だからそれまで一緒にいられるよ」

「赤司っち・・・!」

「これで満足かい?お嬢様?」

「オレお嬢様じゃないんスけど・・・満足っス!」

「それはよかった」



終わっとく

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