遊戯王

□闇の影に動く者
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「遊星」

遊星と一緒にいる十代が腕にしている時計を遊星に見せた。
タイムリミットの1分前。
遊星は右耳につけている通信機のボタンを押した。

「1分前になりました。1から確認をお願いします」

小さな声でそういうと、右耳から声が聞こえてくる。

『1、問題ないよ』

『2も大丈夫だぜ』

『3、4準備万端だぜ?』

『5、無事たどり着いたぜ!』

『6、いけます』

全員無事配置につけたことを確認すると、遊星は時計を確認する。

「わかりました。各自好きなタイミングで入ってください。では、健闘を祈ります」

そう言うと、遊星はボタンを押した。
この通信機は一人がボタンを押せば、全員に連絡できる仕組みになっている。
この場合は遊星が最初にボタンをおしたので、遊星に権力が与えられるだ。
隣を見ると、十代がまだかまだかと今にも動きだしそうだった。
遊星はくいっと顔を動かすと十代が裏口のドアを思いっきり開けた。
そして素早く拳銃を取り出すと、中を警戒しながら歩き出した。
これほど派手な音をあげたので、人が集まるのは間違いないだろう。
十代は隠れるところがないか探し出し、丁度いいところを見つけ、隠れることにした。
遊星はというと、裏口から動かず遠距離用の銃を装備した。
もちろん外の警戒も忘れてはいない。
しばらくすると、ドタバタと人が走ってくる足音が聞こえ、十代は後ろを振り返り、遊星に合図を送る。

足音はまだ少し遠いな。
もう少し粘るか・・・

十代はそう考えながら注意を払う。
目を閉じて耳だけに集中すると、急に目を開け銃を構えて2発撃った。
遠くからは男の叫ぶ声が二人ぶん聞こえたから、的中したのだろう。
十代はすぐさま隠れると、遊星も負けずと銃を撃ち出す。

「誰だ!!」

奥にいる男が声をあげ、銃を向けるが影が見当たらない。
適当に撃っても弾を消費するだけだと考え、威嚇をするのみだった。

誰だと言われて答える奴が何処にいるんだよ。

十代はそんなことを考えながらも銃を素早く構え、また2発撃ち、その後遊星が撃つ。
威嚇していた男が倒れその周りにいた男たちも次々と倒れていった。
他の男たちは恐怖を感じ、銃を撃つ方へ何度も銃を撃つが、十代も遊星も隠れており、弾は当たらない。
何発も撃つため、弾切れになりカチっカチっと音が鳴る。
それを聞いた十代がすぐさま銃を構えて男を撃ち落とすと、影から動きだし、奥へと走って行った。
遊星も十代に合わせて走っていく。
途中でガラスが割れる音がしたが、あれは多分遊馬だろう。
そう考えながら二人は奥へと走って行った。

###

遊馬は連絡後、入るか入らないかと迷っていた。
しかし、大きな音が聞こえ、しばらくすると銃声が聞こえてきた。

やべっ!先越された!!

遊馬は慌てて銃を手に取ると、それを口に咥え、両手を窓の上に掴み、勢いよく蹴破った。
ガラスの割れる音が大きかったのか、すぐに人が集まってきた。
遊馬は口に咥えていた銃を持ち直すと、左目のスコープをうまく使いながら次々と急所を狙っていく。

「っ!くそっ!!」

危険だと感じた男が遊馬に向かって銃を撃つが、遊馬はそれを間一髪でよけると、すぐさま体制を整えまた撃ち始める。
何度かその動作を続けていると、銃が限界を迎えたようで、弾切れの音が2、3発聞こえた。

やべっ!!

焦り出した遊馬だが、使えなくなった銃を投げ捨てると、スーツに隠してあった銃を取り出し、また撃ち出した。

遊馬の目的は人を一掃しながらのユウギとの合流だった。
これでは間に合わないかもしれない。
そう考えた遊馬は強行突破をすることにした。
相手の拳銃を避けながら懐から例のものを取り出すと、口でピンを外し相手にむかって投げる。
相手はそれがなんなのか気づくのに時間がかかったが、それがあざとなり手榴弾が爆発した。

あっぶねー・・・

遊馬はそう思いながらもユウギ達との合流するため、走りだした。
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