長編集:お題
□ひとつの願い
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「ヒュウガ少佐、仕事してください!」
「ムリ!コナツ、がんばってね」
「少佐〜〜」
まったく、少佐はいつも私に仕事を押し付けて!
仕事といっても、書類にサインをするだけじゃないですか。
結局、すべて私が仕事をする羽目です。
少しでも少佐が仕事をしてくれれば・・・
ズキッ
「痛ッ・・・」
最近よく頭痛がおきますね。
いったいなんでしょうか?
・・・こんなことを考えている暇もありませんね。
早く仕事を始めなくては・・・
* * *
コナツは黙々と書類にサインをしている。
その後ろで一人、サングラスをかけた男・・・ヒュウガが立っていた。
コナツはそれに気づかず仕事をしている。
「コーナツ」
ヒュウガがコナツを呼んだが、集中しているコナツは気づかない。
もう一度、次は大きい声を出して呼んだ。
「コーナツ!!」
「うわぁ!」
聞こえたというよりコナツは驚いた。
「少佐、何するんですか!ビックリしましたよ」
「ビックリさせるつもりはなかったんだけど、普通に呼んでも気づいてなかったから」
「そうだったんですか?」
「集中しすぎだよ、コナツ。ちょっと休んだら?」
「それができればもうしてます。ですが、少佐が仕事をなさらないので、私がやっているんですよ!?」
「ゴメンゴメン。じゃあ今からしっかりやるからコナツはもう休んでいいよ?」
「ですが・・・」
ヒュウガの問いかけに、コナツは悩んでいる。
ヒュウガは仕事をあまりしない。
任せてもいいのかと、悩んでいた。
それを把握したのか、ヒュウガは頭をなでた。
「大丈夫、逃げたりはしないよ。コナツのためにしっかりやるから、ね?」
その言葉を聞いてコナツはやっと、OKを出した。
「わかりました。じゃあ、お願いします」
「うん、ゆっくり休んでね」
そういうとコナツは部屋に戻った。
それを見たヒュウガは、頑張って仕事をした。
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