長編集:お題
□ひとつの願い
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コナツは部屋に戻ろうとしていた。
まさか、少佐が仕事をするとは・・・
夢見たいです!
これが毎日できれば問題ないのですが・・・
ムリでしょうね
まあ、少佐が自分からやってくださるなんてこと、ありませんからね
私もしっかり休むとしましょう。
また、明日から頑張りましょう!
ズキッ
頭が・・・すごく痛いっ!
コナツはすごい頭痛でその場にしゃがみこんだ。
先ほどとは違って、しゃがみこむほど痛かった。
コナツがしゃがんでいると、クロユリとハルセが来た。
「あっコナツだーって、コナツ、どうしたの!?」
「コナツさん、大丈夫ですか!?」
二人はしゃがみこんだコナツに話しかけた。
コナツは、頭痛が治ったのか立ち上がり、笑顔でクロユリとハルセを見た。
「はい、大丈夫です。ちょっと、頭痛がいつもより酷かったので・・・」
「いつもはそんなに痛くないの?」
クロユリは少し心配そうな顔をコナツに向けた。
ハルセも同じような顔をしている。
コナツは先ほどと同じ笑顔で答えた。
「はい。先ほどもありましたが、そちらはそんなに痛くなかったので・・・」
「そっか・・・今日だけだといいね」
「はい。では失礼します」
コナツは一礼して部屋に向かって歩き出した。
クロユリとハルセはコナツの背中を少し見て、ヒュウガが仕事をしていると思われる執務室に向かった。
* * *
木の上に二人の影がある。
「アハハハ。やっと始まった。私、待ちくたびれちゃった」
「お嬢様、後は私がやりますので屋敷に戻ってください。
あの方はしっかりと見ておきますので・・・」
「えー、でも少し時間がかかるみたいだしいっか。
それじゃあ、任せたわよ」
「はい」
お嬢様と呼ばれる女の人は窓を見つめた。
「楽しみにしててね・・・コナツさん」
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