長編集:お題
□ひとつの願い
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はぁー
何故急に頭痛が起きたのでしょうか?
先ほどはそんなに痛くなかったはずなのですが・・・
まあ、今日は早く寝て、明日に備えましょう。
少佐が仕事をするか分からないことですし・・・
* * *
「ヒュウガー居るー?」
執務室についたクロユリとハルセは、早速ヒュウガを呼んだ。
「いるよー」
ヒュウガが返事をしたのでその方向を見てみると・・・
クロユリとハルセは驚いた。
「ハ・・・ハルセ、ヒュウガが仕事をしているのは幻覚?」
「いえ・・・私にも見えますから幻覚ではありません」
ヒュウガが仕事をしていたからだ。
いつもはいつの間にかどこかに行ってしまうのに・・・
「ひどっ!
俺だってコナツと約束したから頑張っているんだよ?」
「そうそう、そのコナツについて話があるんだよ」
「コナツのこと?」
クロユリが話を変えてきたので、ヒュウガは首をかしげた。
「うん。さっきコナツに会ったんだけどさ、
最近コナツの様子おかしくない?」
「えー?そりゃー仕事に集中していたけどさ」
「ちがうって。さっき合った時ね、コナツしゃがみこんでいたんだよ?
どうしたのかなって駆けつけたら、頭痛って・・・」
ヒュウガはコナツにそんなことがあったのを知らずにいた。
なので、この話は今始めて聞いたのだ。
「うそ!それでコナツは?!」
「大丈夫って部屋に戻ったよ?」
「そっか・・・」
コナツがそんなことになっているのを知らなかったヒュウガは落ち込んでいた。
ベグライターであって、恋人であって、それでも知らなかったからだ。
それを察したハルセはヒュウガに話しかけた。
「そんなに落ち込まないでください。
コナツさんは、少佐に心配されたくなかったんだと思いますよ?」
「それって、どういう意味?」
嫌味なのかそうでないのか・・・
「自分のために、足手まといにはなりたくない。
私もそう思うことがあるので、コナツさんもそうだと思いますよ?」
ハルセも、クロユリのベグライターだ。
同じ考えをする可能性もある。
まあ、上司の違いで思うことは少し違うところもあると思うけど・・・
ハルセにそこまでいわれると、ヒュウガは落ち込むことをやめた。
「そっか・・・でも、教えてほしかったなぁ」
「仕方ないよ、ヒュウガ。コナツはそういう子なんだから」
「そうだね」
「うん。じゃあ仕事しよ。いこ、ハルセ」
「はい」
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