長編集:お題
□十三神将!?
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ここは平安時代、安倍家。
そこで一人の男が寝込んでいる。安倍昌浩だ。
その隣で白いもの、いや物の怪が座っている。
昌浩が寝込んでから二週間たった。
昌浩が寝込んでいるわけ、それは昌浩しかわからない。
「も・・・くん・・・」
「昌浩!」
久しぶりに昌浩がしゃべったため物の怪は大声を出してしまった。
「昌浩、どうした?」
さっきとは違い、物の怪はやさしく問いかけた。
「ごめ・・・ん、も・・・うだめみ・・・たい・・・」
昌浩が力なく声を出した。
「おい!しっかりしろ昌浩!お前はまだやることがあるだろ?『晴明を超える大陰陽師になる』って俺にいっただろ!?」
「うん。でも、もう・・・だめってわかっているんだ・・・ごめん、紅蓮・・・」
昌浩が『紅蓮』といったとき物の怪は紅蓮になった。
「俺、紅蓮が・・・そばにいて・・くれ・・てうれしかった。本当にごめ・・・ん」
昌浩は涙を流してこときれた。
「昌浩・・・昌浩―――!!」
紅蓮は何度も呼んだが、昌浩が目覚めることはなかった。
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