テニスの王子様

□俺だけの表情
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今日は遠山とデートだ。

少し遅れてしまったが、遠山なら許してくれるだろう。

原因はもちろん寝坊だ。

リョーマは全力ではないが、走った。

待ち合わせ場所につくと、リョーマはビックリした。

金太郎が知らない女としゃべっているからだ。

リョーマは金太郎の視界に入らないように、隠れた。

金太郎はいつもの笑顔で女と話をしていた。


  ・・・ムカツク

  遠山のその笑顔、誰にも見せたくない。

  俺だけのものにしたい・・・


「コシマエ?」


リョーマが考え事をしていると、金太郎が急に声をかけてきたのでビックリした。


「遠山?」

「やっぱりコシマエや!」


そういうと、金太郎はリョーマに抱きついてきた。

リョーマはいつものことなので、暴れたりはしなかった。

しばらくしていると、金太郎から離れた。


「今日はどこいくん?」


金太郎の問いにリョーマは答えなかった。


「リョーマ?」


もう一度、今度はちゃんとした名前で呼ぶと、リョーマは小さい声だったがしゃべってくれた。


「さっきの女は?」


金太郎は一瞬キョトンとしていたが、リョーマの言っていることが分かり、納得したような顔をした。


「あーあれな。あれは向こうからお茶せーへんかって来たんや。ワイちゃんと断ったで?」


金太郎はリョーマにいつもの笑顔を見せた。

リョーマはその表情に我慢ができなくなり、思っていたことを口に出してしまった。


「その笑顔、誰にも見せないでよ・・・俺だけに見せてよ!!」


言い終わるとリョーマは息を切らせていた。

そんなリョーマを見て、金太郎はリョーマの腕をつかみ走り出した。


「遠山?」


リョーマの問いかけに金太郎は何も言わなかった。

リョーマは金太郎の速さに、ついて行くので精一杯だった。
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