テニスの王子様

□一言でも嬉しい
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「ゴホッゴホッ」

「越前、風邪でもひいたか?」


部活中に、リョーマのせきが酷かったので桃城が聞いてみた。


「さあ?」

「おいおい。マスクぐらいしとけよな」


うつるからと言って桃城は練習に入った。


「マスク・・・嫌いなんだよね・・・」









その夜、せきが酷くなってきたので、さすがにやばいと思いマスクをつけた。

その時、ちょうど着信音が聞こえたので、携帯を手に持った。

いつも電話をしているのに、出るときはどきどきしてしまう。

リョーマは通話ボタンを押した。


「もしもし?」

「コシマエーー!!」


この声の主は大阪四天宝寺中の遠山金太郎だ。

いつも始めにくる言葉は“コシマエ”だ。

別にそう呼ばれるのは嫌いじゃない。


「どうしたの?」

「特に用はあらへんでー」


いつも話の内容は一日についてだ。

互いが互いのことについて知りたいから、遠く離れていても何をしていたのか分かるように・・・

また今日も話をしていると、金太郎が急に話を変えてきた。


「コシマエ、風邪ひいたんか?」

「そうだけど・・・なんで分かった?」

「いつもと違って声が聞こえにくかったんや!」


確かに今の自分はマスクをしているから聞こえにくいかもしれない。

普通はそんなに分からないと思う。

リョーマ達は毎日電話をしているからわかるのだろう。


「風邪、早う治るとええな!」

「・・・うん」


それで今日の会話は終わった。

リョーマはベットにもぐりこみ、枕に顔を押し付けた。


  早く治そう

  そして・・・


=END=

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