黒執事

□キスでどうにかなる
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「坊ちゃん、入浴の準備ができました」

「ん」


シエルはいつもどおり、セバスチャンに任せた。

それが一番危ないことも知らずに・・・


「湯加減はいかがですか?」

「まあまあだな」


セバスチャンはシエルの髪を洗おうとして・・・
  耳を触った。


「ひゃあぁっ!?」


突然触られて、少し驚いた声が出た。


「なにをする!」

「何といわれましても・・・耳を触っただけですよ?」


耳をまた触りながら、セバスチャンは話を続けた。


「それに、仕事は終わっていますよ?」

「やめっひゃああんっやぁ・・・」


何回も触られて、シエルの目はとろんとしている。

そんな顔をみせられたセバスチャンは、我慢ができなくなり、
シエルの口にしたを入れた。


「ン!ふぁあぁん・・・ふぅぁあ・・・」


はじめは抵抗していたシエルだが、力が思うように入らず、あきらめた。

唇を離したとたん、セバスチャンは驚いた。

なんと、シエルの耳とシッポがなくなっていたからだ。


「な・・・何故ネコ耳と・・・シッポが・・・」


セバスチャンが酷く驚いていたので、
シエルは何事かと思い、頭を触ってみると・・・

普通の頭に戻っていた。


「はあ・・・やっとなくなったな。・・・セバスチャン?」

「ネコ・・・ネコが・・・」


耳とシッポがなくなって、酷くショックを受けたらしい。

さっきから同じ言葉しか話さない。

そんなセバスチャンを見て、シエルは得意げな顔をして


「残念だったな。お前の好きなネコはもういない」


と、セバスチャンに向けた。


ネコの耳とシッポ。

キスのおかげでなくなった。

どうせなら、犬のほうが良かったと思ったシエルだった。


=END=
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