Short BOOK1-NARUTO-

□『会えないなんて考えられない』
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『会えないなんて考えられない』











「悪いな、いの。帰すのが遅くなっちまった。久しぶりだったもんだからつい・・・」






日がとっぷり暮れたころ、あたりの静けさに憚るように、小さな声が囁いた。

何の気配も感じれなかった木の陰から、ふいに気配がひとつ現れる。






「いいのよ、そんなこと。あたしは久しぶりに会えて嬉しかった」






薄い金色、プラチナの髪を高いところでひとつにまとめた少女だ。

その後ろから、全く存在を感じられないほど気配が希薄な少年が続く。
こちらは仮面こそつけていないが暗部服で、目の覚めるような金髪。


少年が名残惜しげに少女の髪を掬って口付けた。






「・・・ここで別れたらまた数週間後だ。本心を言えば、このままいのといたい」






「ダメよ、この後すぐ任務なんでしょ。あなたがサボっちゃ里が潰れちゃうわ」






苦笑して言う少女の言葉に、少年は溜め息を吐いてやっと少女を手放した。


一歩後ろに下がると、溶けるようにその姿が闇に紛れていく。






「愛してるよ、いの・・・また今度、な」






囁く声も消えた後、少女は同じ言葉を呟いてからそっと家に入った。


そして目の前の玄関先に立ち塞がっていた影に、思わずバン!とたった今入ってきた裏口のドアに背を打ち付けてしまう。






「いの・・・・・・」





恐ろしく低い声、凄みの効いた笑みを貼り付けて、少女と同じ淡い白金色の髪をした男が、腕を組んで仁王立ちしていた。






「パ、パパ・・・?きょ、今日は任務じゃ・・・」






冷や汗をだらだらと流し、少女はなんとか言い訳を試みようとした。


が。






「いの」






再びの呼びかけに、恐る恐る男を見上げると、男は一度にっこりと笑ってから、次いで一瞬でその笑みを消した。






「こんな夜中まで、一体どこに行っていた!!!」







耳に響く大声に、少女は反射的に首を竦めた。



ああ、やってしまったと思いながら。







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