Short BOOK1-NARUTO-

□『君の幸いがすべて』
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里の忍不足がいよいよ深刻になりだしたころ、オレは自分の能力を最大限に使える場がほしいと爺様に暗部入隊を希望した。

そして入隊するからには自分より実力が下である者には従いたくない、総隊長に任命しろと。


その言葉は嘘ではなかったが本当でもなかった。

オレが唯一気にかける存在だった爺様の頭を悩ませる忍不足。

それに対応できるだけの暗部を組織し統制するために、どうしてもトップの地位が必要だった。



暗殺と名のつく部隊に入れてくれと言ったオレを、むしろ昔から刺客を最低限片付けていたために人殺しを何とも思わなくなっていたオレを、爺様が悲しそうに見たのを覚えている。



暗部全隊員の実力を見定め、手に負えないと判断した任務はすべて自分だけで処理した。


その傍ら暗部全体の実力底上げのために自分を相手にして演習を行っていたため、ぶっちゃけその頃のオレの睡眠時間は1週間に3時間程度だったように記憶しているが、年齢がようやく片手の指の数を超えたあたりの暴挙だったから、身長が伸び悩んだのは参った。


が、任務漬け演習漬けの毎日は、自分的にはとても充実したものだったように思う。

爺様にはきちんと休養をとりなさいと説教をされたが。



それから何年か経ち、部下たちも多少使えるようになりだしたころ、爺様は突然オレにある任務を言い渡してきた。




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