小説

□想い
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ーどうしようか…

僕、トウヤは、今、すごく悩んでいる。

いや、迷っている・・

と言ってもおかしくはないだろう。

僕には今好きな人がいて、でも、当然、僕の事どう思ってるかなんて、全く分からなくて…。

僕は、教室の前を、行ったり来たりを繰り返していた。

「…トウヤ、どうかしたの…?」

「・・あっ…!」

ふと、僕に話かけてくれたのは、チェレンだった。

「顔、赤いけど・・大丈夫?」

チェレンが、僕の顔を下から覗き込むように、見てきた。

「……う、うん,大丈夫……//」

チェレンが僕を見てると思うと、何だかはずかしくなってきて…

横を向いて、言った。

「そう。相談とかあったら聞くから、良かったら言ってよ。」

微笑んで、僕にそう言ってくれた。

「…あ、ありがと…う・・//」

そして、チェレンは向こうへ行ってしまった。

他の人ならー
チェレンが、“向こうへ行った”
かもしれない。

ーけど、彼の事が好きな僕にとっては…

“行ってしまった”だー…

そう、僕はチェレンが好きなのだー……

        
そして放課後。

僕はいつもトウコ達と帰っている。

「ねぇ、トウヤ?」

「な、何・・」

いきなり、トウコが話かけてきたので僕はびっくりした。

「あのさ…気になってたんだけど・・」

「う、うん…」

「トウヤは・・チェレンの事、好きなの?」

えっ…

意外な質問だった。

まさか、そんな事を聞いてくる人がいるだなんて。

「……ねぇ、トウ・・コ…?」

「なーに?トウヤ」

「もし、もしだよ…?僕が・・その答えが
YESだったら…どう思う…?トウコは…」

「ぜんぜん。変に思ったりなんかしないよ。」

「え…」

トウコの、優しい言葉に、トウヤは、ふと顔を上げ、トウコの方を見る。

「だって、トウヤが好きになった相手だし、私はそれを、変に思ったりとかなんか、しないから!」

微笑して、言うトウコ。

「ありがと…トウコ…」

「だから」

「だから、好きならちゃんと、好きな子にその、トウヤの想いを伝えなきゃ!」

昔から変わらない笑顔だ。

「うん。わかった!」

そうだ

誰に、何と言われようと、好きなんだから

そう、チェレンの事がー

この想いー

チェレンが好きな気持ちは、大切にしなきゃ
・・だなー

次の日ー

「頑張りなさいよー、トウヤ、応援してるからねー」

「トウヤあ〜、頑張ってねぇー」

「うん。ありがとう。」

僕は、教室を出た後、それに気づいたトウコとベルが、そう言ってくれた。

僕とトウコとベルは同じクラス。

だけどー…

残念ながら、チェレンとは、違うクラスなのだ。

…どうしよう・・

チェレンのクラスに行って、呼ぶのもはずかしいし…///

と、まだ自分のクラスの前で、1人、考えてたら、ふと、僕に声をかける人がいた

「トウヤ…?」

えっつ・・

「チェ、チェレン…!//」

「やぁ、トウヤ。どうかしたの?」

超・グットタイミング!!

「あ、僕、チェレンに話したいことがあって…。」

「話したいことって?良かったら今ここできくよ?」

ええええ…///

「こ、ここだとちょっと、その・・はずかしいから…」

「じゃぁ、他の場所にしようか。」

「うん。」

そして、僕たちは、体育館へと向かったー

「ここなら、広いし、平気でしょ?」

「うん。ありがと。」

    「……………………。」

少し長い沈黙があった。

「・・久しぶりだよね。こうして君と話すのは。」

「そうだな。クラス違って以来、あまり話せなかった・・よね。」

「そうだね。ねぇ、君はー・・トウヤは、好きな人、いるの…?」

「……。う、うん…//」

突然だったので、僕は少し黙ってしまったが、そう答えた。

「・・ねぇ、誰なの…?君の好きな人・・は…//」

いつも真面目なチェレンが、顔を赤めて言った。

「・・じゃぁ、僕の、“話したい事”…言うから…//」

「うん・・//」

「じゃぁ、言うよ。
僕は・・僕の好きな人は、チェレン・・だ…!!///
……こんな事言ったら、きみはビックリするかもしれない・・」

「でも、これが、僕の、きみに対する、“想い”、だからーーー…!!///
……付き合って・・くれないか…?」

言った。

僕は、ついに、告白してしまった。

「……嬉しいよ。ボクも。トウヤの事…っ好きだから…!///」

「両…思い…///」

僕は、嬉しくて、言ってしまった。

「うん。両思い…だよ…//」

良かったー

両思いになれるだなんて・・・

  「トウヤ!」
  
「チェレンーっ!」

   「「え?」」

向こうから、トウコとベルの声がした。

その声に、僕達は振り返る。

2人は、手を振って、こちらに来ている。

「・・もしかして、僕の告白、見られてたのかな…?///」

は、はずかしいー…///

「多分ね。」

チェレンは笑って答える。

「ええ…はずかしいよ・・///」

「いいじゃん。僕達はこうして、両思いになれたんだから。」

「う、うん。そうだね……///」

ーなんだか、僕の事が心配になって、トウコはベルを連れ、僕たちが体育館に入ってくのを偶然トウコは見たらしい。

ー良かった。

チェレンと、両思いになれて。

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