陰陽師
□幸せ者
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「晴明!飲むぞ!」
博雅は一人徒歩で晴明の邸へやって来た。
そして、開口一番にこんなことを言ったのだ。
「…どうした、急に…。」
「飲みたくなっただけだ!」
晴明は、少し腑に落ちない様子だったが、博雅の意見に了承した。
「…わかったよ、蜜虫。」
「あい。」
呼ばれた蜜虫は、音もなく庭の陰から現れた。
「酒を持ってきてくれ。」
「承知致しました。」
また蜜虫は、音もなく庭の陰へと消えていった。
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