迷いの森

□素直になれない
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あなたに会えないだけで、
どうしてこんなにも不安になるのかしら……?                      
−−−−−−−

「そこにいるのは、アリスじゃないか」

私が、生活に必要な物を買い物していたら、迷った(?)エースに会った。

「あら、エースじゃない」

しばらく会っていなかったのに相変わらずニコニコな笑顔は変わってないのね…笑


「…あれ?君少し髪が伸びたのかな…?」


「えっ?…ええ……そうかもしれないわね…」

どきんっと、心臓が跳ねた気がした…

エースは私のことをよく見てるらしい…


「…俺ってそんなに君に会ってなかったんだ」

エースにしては珍しく
何かを考えているようだ。



でも、直ぐに余裕の笑みを浮かべる。

「君は…俺に会いたかった?」


…えっ……?
……そんなこと、…決まってるじゃない…





…会いたかったわよ。



でも、私はそんなこと言えない…


「そ、そんな訳ないじゃない!
…迷子になるなんていつものことだし…」


相変わらず、可愛くない言い方。


「…そう?その割には顔が少し赤いけど??」



「…えっ…!?」

顔に慌てて手を当てる。
確かに熱い……


「ははっ、慌てるとこみると本当みたいだ」

「!!…もしかして…嘘!?」


「おっと…そんなに怒るとせっかくの可愛い顔が台無しだぜ?」

エースはズルい…
そんなこと言われたら、どう反応したらいいのか分からなくなるじゃない……


「…す、少し…うるさいのがいなくて物足りなかったわ…」


どうして素直に“あなたに会いたかった”と言えないのだろう…


「…本当に、アリス、君って可愛いよなぁ…」

「え……」


エースに腕を引っ張られ、
おでこに軽くキスをされた…


「…っな…!!!!////」

「ははっ、口にして欲しかったか?」


「…っ…ばか……!!」


「…………俺は、君に会いたかったぜ?」


私は、真剣な表情のエースを見て鼓動が速くなる。


「…エース……。」


やっぱり、私はこの赤い騎士に勝てないみたい…


…素直にはなれないけど。


「エース、お帰りなさい。」

でも、
あなたはまた私に笑ってくれる。


「あぁ、ただいま!」



END
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