novel

□respective
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「ボッスン、スイッチ〜!
なぁなぁ、アンタら今度の連休ってヒマ??
どーせヒマやろ??
ヒマに決まってるわな??
ヒマって言えやコラ、おぉ!?」


「あぁ?!何だよ急に。
てか何で人の予定聞くのに脅迫すんだよ!!」


部室に入ってくるなりハイテンションでまくしたてるヒメコに
面食らって答えるボッスン。


「一体連休に何があるというんだ?」


スイッチは冷静に質問をする。


「おぉ、よく聞いてくれたわ〜スイッチ!
あんな、旅行に行くねん!!生徒会メンバーと一緒に。」


「はぁ〜〜っ!?
何それ、何で??
まったく話が見えないんですけど?!」


唐突なヒメコの提案に、
意味がわからないと返すボッスン。


「さっきな、そこでミモリンと会うて話しててん。
そしたらな、新生徒会の親睦会って事でミモリンちの別荘行くんやて!
アタシがえぇな〜って言ったら、
スケット団の皆さんも良かったらって誘ってくれたんよ。」


「えぇっ、、でも俺ら別にアイツらと親睦深める必要ねぇし(特に加藤)」


「もう、そんな事言わんと!
棒スンになった時、皆でひとつになったやん!
アタシめっちゃ行きたいわ〜!!
皆で旅行とかした事ないし。。」


(確かに生徒会室で同居してた期間のおかげで、
生徒会とはずいぶん距離が縮まった気はする。
ヒメコなんかはすっかり女子達と仲良くなったみたいだし。
うぅ〜ん、そんなに言うならまぁ別に行ってやってもいいか。。)


「わかったよ。行けばいいんだろ!」


「青春青春!ハッハッハッ」 


スイッチはわりと乗り気なようで、あっさりとOKを出した。


「やった〜〜♪
ありがとうな!!
そんじゃミモリンにお願いしとくわ!」


こうして前代未聞の生徒会とスケット団のお泊り旅行が決定した。


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=当日= 


一同は雪山にある立派なロッジへとやってきていた。


目の前は一面銀世界。 


ロッジの中は広く豪華な作りで、暖炉や温泉まであった。  


「いやーメッチャ綺麗やん!
雰囲気あるわ〜〜」 


ヒメコは早くもテンションがMAXになっている。 


ボッスンは、
いまだに生徒会とお泊まりというシチュエーションに違和感を感じて
微妙な顔をしていた。 


「とりあえず外で遊ぼうや!
せっかくこんなに広いんやし、また雪合戦やろ!!」 


「賛成だ!
僕がかつて藤崎に勝利した雪合戦を是非もう一度やろうじゃないか!」 


椿が得意顔でヒメコの提案に乗ってくる。


「お前いつまで自慢してんだよ!
今度はまぐれは通じねぇからな!!」


ボッスンがムキになって言い返すと、
ミモリンが二人をなだめながらある提案をしてきた。


「まぁまぁ、お二人とも。
ところで8人も人数がいる事ですし、
くじ引きなどしてペアを作りませんか?」 


その意見を採用した結果・・・こうなった。


ボッスン&椿
スイッチ&デージー 
宇佐見&ミモリン
ヒメコ&希里  


(ヒメコと・・・加藤?!) 


ボッスンの胸にまたモヤモヤが生まれ始める。 


「貴様とペアだと!?
これじゃ勝負ができないじゃないか!!」 


椿が不満の声をあげると、
それに対してボッスンも噛み付いた。


「あぁ??
こっちだってお前とペアなんて願い下げだっつーの!
足手まといになるからな。」  


「なんだとぉ〜〜!!」


「まぁまぁ、アンタ達またそんなケンケン言うて!
くじ引きで決まったんやから仕方ないやろ?」 


言い合いをしている所をオカンキャラと化したヒメコになだめられ、
仕方なくこのペアでいくことになった。


宇佐見&ミモリンペアはあまりに非力すぎるという事で審判にまわり、
まずはスイッチ&デージーペア対ヒメコ&希里ペアの対戦が始まる。


「ミスタースイッチ・・・
私の脳裏にビバゲーバトルのイヤな記憶が蘇ったのだが。。
ノーコンは直ったのか?」 


デージーがジロリとスイッチを見ると、
スイッチは遠い目をしてキーボードを打った。


「・・・
俺は・・あの頃と何も変わっちゃいないさ。。」


「お前なにちょっとカッコいい風に言っとんねん!!」 


「D・O・S!!!」 


ヒメコとデージーがツッコむと同時に、 
試合開始の合図が鳴った。 


結果はいうまでもなく・・・ヒメコ&希里ペアの圧勝。 


「Y・N・O!!
(役に立たないノーコンオタク)」


今回ばかりはさすがのスイッチもデージーの罵りに何も言い返せず、
甘んじて受け入れていた。  


そして次はボッスン&椿ぺア対ヒメコ&希里ペアの戦い。 


「よし、こうなったらマジであの忍者叩き潰す!!
椿援護しろ!!」 


「何を言っている。僕はチャンピオンだぞ??
メインで投げるのは僕だ!君が援護しろ!」 


「チャンピオンって・・・マジで面倒くさいなお前!!!」


そんなやりとりをしているうちに試合はスタートし、
希里の猛攻撃が始まった。
負けじとボッスンも集中モードで迎撃する。 


希里はボッスンばかりを狙っていたが
ボッスンの避けた玉がたまたま椿に当たってしまった。 


「しまった!!会長、申し訳ありません!!」


律儀に希里が椿に謝る。


ヒメコは途中からついていけなくなったらしく、
雪玉を作って希里に渡す役に徹している。 


(イラ…
なんだよヒメコのやつ。
何アイツに尽くしちゃってんの?!
お前加藤の味方か?
そんなに加藤と二人で俺を倒したいのかーー!!)


今は希里とペアなのだから
ボッスンを倒そうとするのは当たり前なのだが、
イライラしたボッスンの思考はおかしな方向へ。。 


(あ〜なんかイライラする・・!!
そろそろ集中モードも限界だな。。
ん?今アイツら手が触れ合って・・・) 


ーーバフッ 


「え?」


「藤崎選手アウト〜
ヒメコさん&希里くんペアの勝利です!」 


ボッスンが一瞬よそ見をした隙に
勝負は決まってしまったらしい。 


目の前ではヒメコが喜びの声を上げて希里に笑いかけている。 


ボッスンはそんな光景を前に
椿に責められるという散々な結果になってしまった。
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