novel

□thump-thump
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放課後の部室――


今日もなかなか依頼はこない。


暇をもてあましたスイッチは自分の机でチャット中。

ヒメコはお茶を入れるため立ち上がり、

ボッスンは畳に寝っころがって漫画を読んでいる。


そんないつもの平和な光景――


すると突然、
仰向けで漫画を読んでいたボッスンの視界が
少し暗くなる。

どうしたのかと思い漫画を顔からよけると、
ヒメコの胸元がどアップで目に飛び込んできた。


「どわっっ!!!!
な、何してんだよ!!」


驚いたボッスンが叫ぶと
ヒメコはきょとんとした顔で答えた。


「え?
そっちの本棚にロマンに借りてた漫画があるから
取ろうと思ってんけど。
あ、もうお茶入っとるで。」


「おま・・ち、近ぇよ!!!
ビックリすんだろ」


「あぁ、邪魔やった?
すまんな」


「いや・・邪魔ってゆーか・・」

(ったく無防備すぎんだろ!中見えんぞ。
ま、まぁ見えたところでヒメコのだし
別に全然どーって事はないんだけども・・!!)

そんな考えとは裏腹に
心臓のドキドキはなかなか治まらない。


「思春期だな、ボッスン♪
よっ!ムッツリーダー☆」


ボッスンの動揺に気がついたスイッチが
いつもよりワントーン高い合成音声で
ツッコミを入れた。


「だ、誰がムッツリーダーだ!!!
ススススイッチ、お前何言ってんだよ!!!」


スイッチが放った余計な一言に焦るボッスン。



その背後には薫風丸を握りしめたヒメコが・・・


「お前アタシの胸見たんやな!!このド変態が〜〜〜!!!」


ボッスンは言い訳する間もなく薫風丸の餌食になったのだった。


――ある平和な放課後の出来事。


Fin
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