novel

□submissive
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「ウィーガシャン、ウィーガシャン」


下校時刻の迫ったスケット団の部室に響くボッスンの声。


先程まで依頼者が来ており
たまたまロボットの話で盛り上がった。
そのため、依頼者が帰った後も
ボッスンはそのままテンションの高さを引きずっているのである。


「いや〜〜やっぱいいわ、コードA!!
このフォルムがたまんねぇよな」


ボッスンは一人惚れ惚れするような表情を浮かべている。


「お前ほんま子供か!!!
ロボットでそんなはしゃぐ高校生おれへんで」


異常に楽しそうなボッスンに
ヒメコは冷めた態度でそう言い放つ。


「あぁ?!
お前コードAは単なるロボットとは違ぇんだよ!!」


「そうだぞ、ヒメコ。
コードAは計算し尽されたデザインと機能性、
そして奥深い設定が・・」


コードAの熱狂的オタクであるスイッチも応戦してきた。


「う、うっさい!!!
なんやねん、お前ら!」


「お前も最初っから否定ばっかしてねーで、
ちゃんと見てみろって!」


ボッスンがヒメコの隣に座り、ロボットを差し出してくる。


「いや・・えぇわ」


若干面倒くさくなってきたヒメコはやんわりと断るが、
ボッスンはさらにぐいぐいと進めてきた。


「あ〜もうウザいわ〜!!」


そう言ってヒメコは軽く払いのけたつもりだったが、
手に当たったロボットは宙を舞い床に落ちてしまった。


「あぁ〜〜〜〜!!!
俺のコードAがっっ!!!!
これレアもんでもう手に入んねぇのに〜!!」


涙目で騒ぐボッスン。


そのうろたえぶりを見たヒメコは苦笑いで謝り倒したが
時すでに遅し、
床には無残な姿になったコードAが転がっていた。
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