novel

□jointly
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「・・・・聞きたいのだが。。。
貴様らなぜここにいる?!
なぜまたこういう状況になっているんだ!!!?」


ここは生徒会室――


椿がギンッと睨みをきかせ、仁王立ちしている。


そしてなぜか椿の目の前には
へらへらと笑うスケット団の面々が揃っていた。


「いや〜、なんかよ、
俺らの部室この前改装して温泉とか作っただろ?
あれやっぱ無理があったらしくて
変なとこから水漏れしてきちまったんだ。
だから修繕するのにちょっと時間かかるらしくて、
校長に言ったらまた生徒会室に間借りしろってさ!
そんな感じだからまたしばらく頼むわ〜!!」


ボッスンが軽い口調で言うと、ヒメコも
「そういう事やねん、悪いけどまた世話んなるわ〜!」と続き、
スイッチも「よろしく(^ω^)」と乗ってきた。


そんな中、希里がグイっと前に出る。


「ここはあくまで生徒会室で、アンタらはただの居候だ。
部屋に居るのは勝手だが、
くれぐれも俺達の仕事の邪魔だけはするな」


そう言い捨てる希里に、
もちろんボッスンがカチンとこないはずはない。


「あんだと?!
お前また調子乗った事言ってっとマジでやってやっぞ、コラ!!!」


ボッスンは憤慨して詰め寄るが、
希里は全く動じる様子はない。


そんな状況を見ていたヒメコは
またもや「まぁまぁ」とボッスンをなだめた。


こうして不穏な空気の中、
再び生徒会とスケット団の共同生活が始まった。


邪魔するなと言われたものの
依頼が無くヒマだったので
いつもどおり歌を歌いながら折り紙を折っているスケット団。


「う、う、う・・・うるさ〜〜〜〜〜いっっ!!!」


当然ながら椿は堪忍袋の緒が切れたようで、
大声で怒鳴りつけた。


するとすかさず希里がボッスンの前に立ちはだかり、
「会長がうるさいと言っている。今すぐおとなしくしろ。」
と注意した。


「あぁ?!」


ボッスンが思いっきり希里を睨みつける。


そんな二人の様子を見たヒメコが
慌てて立ち上がり前に出た。


「すまんな、なんや無意識に歌ってしもうて。
もう静かにするから!」


「お前なに謝ってんだよ!」


希里に謝るヒメコを見て、
ボッスンは面白くなさそうに文句を言う。


「だってまたケンカになるやろ!
今は確かにアタシら居候の身やし、静かにせんと!」


ヒメコはボッスンを諭すように言ったが
どうやらそれが悪かったらしい。


ボッスンは何も言わずプイっと背を向け、
部屋から出て行ってしまった。


「まったく、しょうがないやっちゃなぁ。。」


ヒメコはやれやれといった様子で
ボッスンの後を追いかけるため部屋を出た。


ボッスンはもうずいぶん先に行ってしまっていて、
かろうじて廊下の奥に小さく見える。


その時、閉めたばかりのドアがガラリと開き、
希里が出てきた。


「どしたん?
校内のパトロールか?」


「あぁ、まぁな。
ところで・・・アンタ、あいつと付き合ってるんだってな。」


希里が唐突に尋ねる。


「えっ?!
あ、あぁ・・まぁそやけど///」


ヒメコは希里からの質問にビックリして、
顔を赤くしながら答えた。


「へぇ・・一体どこがいいんだ?」


「どこって・・そんなん言えへんわ///」


さらに顔を真っ赤にしてうろたえるヒメコ。


希里はそれ以上は何も聞かず、
黙って向こうへ行ってしまった。


「なんやアイツ・・
そんなこと聞いてくるタイプちゃうと思ってたけどな〜」


ヒメコは少し不思議に思いつつも
ボッスンのことを思い出し、慌てて後を追いかけた。
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