1x2

□らしくて
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 デュオは奥からガタガタと愛車…と言っても人力ニ輪車だが…を引っ張り出してきた。

 これを購入する時はデュオらしく安物に手を伸ばしたのだが、ヒイロにその手をズルズルと引きずられて今のこの自転車にされてしまったのだ。
 その時足りなかった金額分はヒイロが出してくれたけど、後日きっちり請求書を持ってきた所がいかにもヒイロらしい(ちなみに分割払い)
 更にその後、ヒイロがなにやらいろいろ手を加えていたのが不気味だったけれど、乗り心地はすこぶる良くなった。

 カタタン…

 天気もいい、気分もいい、自転車も快調!!
 そんな昼下がり、風を切ってデュオの自転車が走る。

「よぉ!」
 声をかけた相手はヒイロ。
 キキィっとブレーキ音を立てながらヒイロの隣りに止まる。
「そこのお兄さん、どちらまで?
 よければ送ってくぜ!」

 よっと自転車から降りて、さっそくおしゃべりモードのデュオである。
 もっとも相手が毎度お馴染みのヒイロだけに、おしゃべりモードに付き合ってくれそうはないけれど。

「いや…特に用事はない」
 ヒイロも足を止めて、デュオに向き合う。

「そっか」
「だが」

 ひょいとヒイロはデュオを荷台に乗せる。
「おい」
 デュオが軽く抗議の声を上げたが、無視してヒイロも身軽な動きで前の席に乗り込みハンドルを握る。
「いくぞ」
 有無も言わせずって所がいかにもヒイロである。
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