恨み辛みの果て
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あれから俺は、無事に保護(?)され、部屋に戻ることができた。
髪の毛ボサボサ基竹谷八左ヱ門と共に部屋へ行くと、ハチと同じ藍色の制服を着た男が1、2、3………4人も狭い部屋にひしめきあっていた。んで、目があった瞬間、例のごとく目から大量の汗をかいて…ああ違った涙を流して飛び付いてきやがった。
男4人を支えられるわけもなく、後ろにいたハチもろとも崩れるのは誰にでも想像できるだろう。
庄左ヱ門や彦四郎みたいに鼻水をつけられたわけではないが、自分より背の高い奴らに耳元でグズグズと鼻の啜る音を聞かされるのは、本当に鬱陶しい。
ていうか重い。あ、ハチから魂が…
「雅、僕達のこと嫌いになったの?あんなに酷いことしたから?ごめん、ごめんね」
「なんだってするよ、だから私達を許して。もう何処にも行かないで…」
いつも引っ掛かる言葉。
とくに、先生や比較的年齢の近いこいつらから発せられている。
“酷いことをした”
“物申す資格がない”
そして、あの2人が言っていた
“どうして死んでしまったのか”
という質問。
この時代、人が死ぬことは然程珍しいことではない。その理由は様々だが、餓死や事故死、どれもあてはまらない。この学園の生徒(しかも上級生)が、そんな理由で死ぬだろうか。
考えられるのは、自殺、あるいは他殺。
もし後者なら、あの夢と同じではないか。
ということは、俺はこいつらに殺された…?
「あーもう鬱陶しい。男がグズグズ泣くなよ!」
とりあえず一発ずつ殴っといた。
辛うじて繋ぎ止めてあったハチの魂を戻して、4人を座らせる。…こうして見ると、なんとも特徴的だな。
双子(?)に美形に摩訶不思議な髪型の男。ハチはボサボサだし。でも、みんなやっぱり隈がヤバい。
一番ヤバいのが、双子(?)の片割れだ。今にも死にそうじゃねーかよ。
「お前ら、今はとりあえず寝ろ。隈ヤバいから。怖いよ」
「…##NAME1#、いなくなっちゃう」
「眠ってしまうのが惜しい」
「いなくなんないから寝ろ、頼むから」
これ以上見るに耐えない。
ふらふら、ふらふら、まるで病気だな。
どうしても眠りそうにないなら、殴って眠らせよう。
死なれても困るし。