恨み辛みの果て
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雅が死んだ。
ある日の朝、遺体で発見された。
骨が折れ、肌は所々紫色に変色し、ボロボロだった。
誰もが嘆き悲しんだ。
雅は、誰からも好かれていたから。面倒見がよくて、曲がったことが嫌いで、女のくせに口は悪かったが、その言葉一つ一つには大きな意味があった。
誰もが雅と共にあることを望んでいた。
そんな日常を崩したのは、ヘイセイからきた“天女”だ。
上級生のほとんどが天女の虜になり、委員会が機能しなくなり、学園は崩壊していった。
そんな学園を立て直そうと、一人立ち向かったのが、雅だった。
だが、複数の上級生相手に、一人で敵うはずがない。
全ての委員会の手伝いをこなし続けた雅は、衰弱していた。
そんな彼女を手にかけたのは、やはり上級生だった。
殺すつもりはなかったのだろう。
その証拠に、新野先生から下された診断は“衰弱死”だったのだから。
嗚呼、神様。
あなたはなんて残酷なんだ。
なぜあの子なんだ。なぜあの子じゃなきゃいけなかったんだ。
誰からも愛される雅が、誰からも恨まれ、挙げ句死んでしまうなんて。
私は、あなたを恨みます。
ああそうだ。
あなたが送り込んだ天女様は、無事天に還させて頂きました。
もう、あんな異物を送ってこないで下さいね。