恨み辛みの果て

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「んぁ?」
「……先輩、何みたらし団子くわえながら歩いてんですか」



みたらし団子を食べながら学園内をぶらぶらしていたら、団蔵が足下に転がっていた。いや違う、字の練習してた。



「団蔵も食べるか?」
「良いんですか!?」
「頑張ってるだんぞーくんにご褒美だよー」
「わーっありがとうございます!」



可愛い…

っは!い、いや、別に変態的な目でなんか見てないよ!?
こんな幸せそうに団子頬張る子を可愛くないと思う輩がいるか!?いないだろ!いたらぶっ飛ばす。



「先輩、もう体は大丈夫なんですか?」
「え?あ、ああ……まあ、死ぬような怪我したわけじゃないしな」
「でも、最近よく曲者が現れるって潮江先輩が…」
「大丈夫だいじょーぶ!曲者はそろそろ自分でやってることの意味の無さに気づく頃だから」
「へっ?それってどういう……」
「俺を狙っても神経磨り減るだけってことだよ」



本当に俺の首を狙ってる奴らも、作兵衛も、な…



「先輩…」
「そんな心配すんなって!」
「でもっ…」
「俺は死なないよ。痛いのも寒いのも嫌いだし」



死ぬのは、すごく痛くて、寒いものだ。実際に死んだのは俺じゃないけど、あの夢が教えてくれたんだ。



「っあー……じゃ、そろそろ修行に行きますかね」
「今日も修行ですか?」
「まあねー。今日はもんじ先輩相手だなぁ…ああ嫌だ…」
「が、頑張って下さい…」



団蔵の声援を背に受け、俺は裏山へと向かった。





























――――――……



「うぎぃっ!?」
「何だそのへっぴり腰はッ!!もっとしっかり得物を握らんかバカタレィ!!」
「ぶぁッ」



潮江先輩に腕を取られ、雅先輩はそのまま地面に投げ飛ばされた。背中を思い切り強打したようで、地面で悶えている。

すぐにでも駆けつけたくて、でもほんの少し残った理性がそれを抑える。

俺が出てったところで、修行の邪魔になるだけなんだ…



「……」
「背骨がぁぁぁ」
「…はぁ…。雅、休憩にするぞ」
「ぅぐう………えっ」
「そこら辺で体を休めろ。但し、遠くには行くなよ」
「はーい!」



嬉しそうに少し離れた木陰に入った雅先輩を見て、潮江先輩はこっちを見た。思わず隠れたが、あれは絶対に俺を捉えた目だ。




足音が…近付いてくる…
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