泡沫ノ恋

□eleventh.
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「雅っおはよ!」
「あっおはよ、照代ちゃんっ」
「ねぇ、今度またお泊まり会しない?」
「やりたい!」



照代ちゃんに会うと、憂鬱な学校も全然楽しくなる。でも、相変わらず照代ちゃんと作は不仲で、今日も例外なく喧嘩していた。



「雅に何もしていないでしょーね」
「テメェじゃあるまいし…」
「何ですって!?」



よく飽きないなーって思う。
私も少し前でまでは止めてたけど、最近は放っておくほうが多いなぁ。

でも、何でだろう。
遊佐くんのことがあってから自覚したけど、作や数馬達は何だか懐かしい感じがした。不思議と嫌な感じがしない。



「雅、早く教室に行きましょう!」
「うん。それじゃ、」
「ああ」



教室は私達1組の教室のほうが手前にあるから、そこで別れることになる。



「雅ちゃん、昼休みは中庭で食べよう。日当たりが丁度いいんだよ」
「うん、わかった!」



数馬達に手を振って、教室に入ろうとしたときだった。



「天津、ちょっと来い」
「...先生、?」



担任の先生に呼び止められ、嫌な予感がした。不安で照代ちゃんを見たら、照代ちゃんも冷や汗を流して私を見ていて...

私は、担任と一緒に職員室へと向かった。


















「...さて、なぜ呼ばれたかわかるか?」
「い、いいえ...」
「......」



先生は、ため息をついてパソコンを弄り始めた。私は手持ち無沙汰で待つしかなく、ただ立ち尽くした。その間も、胸騒ぎは収まらない。



「...先生はなぁ…お前には学校より相応しい場所があると思うんだ」
「は、」
「この前の黒板のこともあるし...」
「先生、?」
「正直、お前がそんな生徒だとは思っていなかった」



わからない。
先生、何を仰っているのですか?



「お父さんは知っているのか、......お前の援助交際を」



援、助交際...?

私が?どうして?



頭が混乱していて、何も考えられなかった。そんな私に残酷な現実を、容赦なく叩きつけるのは誰?



「今日、先生のパソコンに届いていたんだ」



それは明らかに、昨日の出来事だ。知らない男の人に襲われて、ベンチに押し倒されて...



「ち、がっ...違うんです!私、援助交際なんてしてません!昨日その人に急に襲われてっ...」
「わかってる。気の迷いだったんだろう。2週間、家でゆっくりこれからどうしたいのか考えてこい」












それは、実質上の停学処分だった。
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