新訳ミツバ篇

□第7章
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ザッ



庭のほうで、足音が聞こえた。

ミツバはハッとして振り向いたが、総悟は興味無さそうに、見向きもしない。



『沖田先輩、稽古の時間ス。』



だが総悟は、その声が聞こえたとたん、跳ね上がるようにして顔を庭に向ける。

するとそこには、土方の姿があった。

前髪はそのままで、長い後ろ髪を後頭部で1つにまとめて縛っている。

相変わらずキツイ目付きだが、やはりどこか、今よりは幼いかんじがする。



総悟『てめー、なんで人んちに来てんだよ!』

総悟は起き上がるなり何なり、そう叫んで土方に飛び掛かるも、あっけなく土方に左手で頭をわし掴みされる。

土方『近藤さんに連れて来いって頼まれたっス。』



タメ口に腹を立てている総悟の会話が聞こえたのか、あるいはまた別の理由があるのか、棒読みの敬語を使う土方。

……いや、敬語というには、敬意が足りない。

もっと、面倒臭さが表れている話し方だった。



土方『さっ、一緒に行きましょうか、先輩。』

そう言って総悟の袴のえりを掴み、引きずっていく土方。

総悟『いだだだだ!!

てめっ、それが先輩に対してとる態度か!!

てめー!!』



ギャンギャンそう叫ぶ総悟を無視して、土方は道場へ引っ張っていく。

その様子を見て、ミツバはクスクス、と笑っていた。



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