新訳ミツバ篇
□第11章
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土方と総悟が斬りあいをしていたのと日付、時刻は変わらない。
場所は病院。
ミツバが入院している部屋。
そこには、さきほど病院の屋上で山崎と話をしていた銀時が、話を終えて戻ってきていた。
一方の山崎の姿は見えない。
おそらく屯所に戻ったようだ。
ミツバ『―――銀さん、山崎さんと何を話していたんですか?』
ベッドに座っているミツバ。
銀時『あ?
なんでもねーよ、気にすんな。』
銀時は椅子に座っている。
ミツバ『そういわれると余計に気になります。』
ミツバがそう言うと、銀時は堪忍したようにフッと笑った。
そして懐からなにかを取り出す。
銀時『野暮な事きくねェ。
男が隠れてコソコソ話してたら、コレの話題に決まってるだろ。
アンタも借りる?』
そう言って片手に持っていたのは、「ナースの花ビラビラ」と背表紙に書いてあるDVDだった。
ミツバ『もうっ。
男の子って幾つになってもそうなのね。
集まってはつるんで悪だくみばかりして。』
ミツバはそう言うと、そっと目をつぶった。
頭の中には昔、江戸に上京していった近藤や土方、総悟など今の真選組が、旅立っていった日の光景が浮かぶ。