ミツバ編
□第5章
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土方はそんな銀時といて気分が悪くなり、外に出ようとした。
だが、そこでばったり、総悟と会ってしまった。
ミツバのことを知らされて、急いで戻ってきたのだ。
さっきまでからかっていた銀時も、さすがにこの状況はヤバいと思った。
「あっ、土方さんじゃないですかぃ。
どのツラ下げてこんな場所にこれたんですか。」
「……。」
いつも瞳孔を開き、タバコを吸っている土方の本性が、根っからのお人好しだということは、みんな知っていた。
だが、総悟にとってはそんな土方でも許せない。
「もう、二度と姉上の前に現れないでくだせェ。」
総悟はそれだけ言うと、さっさと姿を消していった。
土方は何も言い返せず、ただ去っていく総悟を見つめていた。
*
長かった夜はふけ、報せ鳥が鳴き始めた。
朝日がかぶき町を明るく照らす。
窓間から入ってくる日光を浴びて土方は目を覚ました。
布団から起き上がって伸びをすると、ノック音が聞こえた。
土方は入るようにうながした。
「……珍しいですね。
副長が寝坊なんて。」