白蝶編
□第2訓
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銀時『それより幸恵ちゃん、きみ、かぶき町の子?
見慣れない服装だけど、どっかの漫画のコスプレかなにか?』
銀時の視線は幸恵の服に向く。
幸恵『え?
あ、あぁ、これですか?
あの、まぁ、いろいろあって……。』
説明に困った。
幸恵がこの状況を聞きたいぐらいだ。
なにせ学校の帰り道にここに来てしまったんだから、制服のままだった。
確かにみんなが着物を着ている街ならば、この洋服は嫌でも目立つだろう。
蝶を追いかけていたら、変な世界に来ちゃって。
変な世界にきたら、デブな不良に絡まれちゃって。
デブな不良に絡まれたら、この人が助けてくれて。
「きみ、かぶき町の子?」
銀時のそんな質問に、答えが出てこなくて、黙って下を向く。
唇を噛みしめ、しばらく沈黙状態が続くと、ふいに視界に銀時が入っていた。
銀時が、かがんで幸恵の顔を覗き込んだからだ。