新訳ミツバ篇
□第2章
1ページ/4ページ
ところ変わってとあるレストラン。
そこでは先ほど屯所を出た総悟とミツバがテーブル席で向かい合わせで座り、楽しそうに会話をしていた。
総悟『そーですか、ついに姉上も結婚…。
じゃあ今回は、嫁入り先に挨拶も兼ねて?』
ミツバ『ええ。
しばらく江戸に逗留するから、いつでも会えるわよ。』
総悟『本当ですか、嬉しいっス!!』
ミツバ『フフ、私も嬉しい。』
ミツバの一言に、総悟は頬を赤く染めた。
口角を上げ、まさしく嬉しそうな感情が出ている。
総悟『じゃあ嫁入りして江戸に住めば、これからはいつでも会えるんですね。』
ミツバ『そうよ。』
総悟『僕…嬉しいっス。』
ミツバ『フフ、私もよ。』
一方、奥のテーブル席では、山崎ともう1人の隊士が、こっそりミツバと総悟の会話を聞いていた。
山崎が望遠鏡を使って観察している中、もう1人は口を抑えて笑いをこらえている。
『「僕」だってよォォォ!!』
どうやら総悟の一人称が変わったことが、とても面白かったらしい。
いかにも笑いを抑えているその目には、よほど面白すぎたのか涙が浮かんでいる。