新訳ミツバ篇
□第5章
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一方、場所は、ミツバの旦那になる男が住んでいる、屋敷の前になる。
時刻は、土方や山崎が不審船調査をしているのと、同じころ。
その屋敷の前には、銀時、総悟、ミツバがいる。
どうやら1日中、その3人は一緒にいたようだ。
そこで、ミツバは深くお辞儀をしていた。
ミツバ『今日は楽しかったです。
そーちゃん、色々ありがとう。
また近いうちに会いましょう。』
そう言うミツバに、総悟は説得するように話す。
総悟『今日くらい、ウチの屯所に泊まればいいのに。』
ミツバ『ごめんなさい。
色々むこうの家で、やらなければならない事があって。』
古い民間が連なるその小路には街灯が無い。
頼りになる灯りは、強いて言えば家の窓から漏れた灯りくらいだ。
そのため、ただでさえ暗い夜になると、人の表情さえ隣にいても読み取れない。
だが、今の総悟はきっと、いや、絶対に残念そうな顔をしているだろう。
一方、銀時は屋敷に夢中だった。
銀時『デケー屋敷。』
そう言うと、ミツバはハッとしたように銀時に視線を向ける。
ミツバ『坂田さんも、今日は色々付き合ってくれて、ありがとうございました。』
銀時『あー気にすんな。』
本当に気にしていなさそうな口調で銀時はそう言った。