新訳ミツバ篇
□第12章
1ページ/4ページ
別棟で土方と斬りあい、負けて、倒れていた俺は、そこを偶然に通りかかった近藤さんに見つかった。
すぐに局長室に連れていかれて、ケガの処置をする。
「大したことはない」と言っても、無理やり消毒して手当てをさせられた。
そうしてしばらくお互い無言のまま、数分のときが過ぎたころ。
局長室に隊士から連絡が入った。
『沖田隊長ォ!
病院にいる「万事屋の坂田」から、ミツバ殿の具合が一転した、との連絡が!!』
*
近藤さんと一緒に2人で急いで病院に行くと、旦那が手招きしていた。
そこは「緊急治療室」。
いつもの一般病棟ではなかったのだ。
慌てて姉上の様子を見た。
部屋そのものには入れなかったが、透明で大きな窓から、中の様子が把握できる。
そこには何人もの医者に囲まれ、目を閉じたままの姉上の姿があった。