新訳ミツバ篇
□第13章
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ミツバの病室の前。
ミツバは相変わらず目を閉じたままだった。
か弱い呼吸が細々と続き、状態は好転も悪化もしない。
銀時から連絡をうけ、病院に来てからというもの、総悟はピクリとも動かない。
ただ、ミツバの様子をジッと食い入るように見つめているだけだった。
近藤『総悟。』
見かねた近藤が声をかける。
近藤『いい加減、お前も休め。
昨日から一睡もしてねーじゃねーか。
俺と交代!
寝てきたから、俺。』
近藤にそう言われた総悟は、クルッと近藤を見た。
そして左手で自分の目の下を指差す。
総悟『くま。』
近藤の目の下には、黒いラインが目に沿ってできている。
近藤『………メイクだ、コレは。』
近藤は真顔のまま答えた。