攘夷志士編
□第1回
1ページ/4ページ
そんなある日、およそ一週間ぶりに新八が万事屋に帰ってきた。
俺と神楽は驚いて新八に駆け寄った。
銀時『し……新八じゃねぇか!!』
俺が安心して新八にそう言った。
……だが新八の様子がおかしい、ということにすぐに気付いた……
新八は何も言わずに無表情のまま、静かに俺の横を通り過ぎていった。
銀時『新八……?』
俺が不思議に思ってそう言っても、新八が答えることはなかった。
神楽が真剣な顔で俺に聞いてきた。
神楽『銀ちゃん…新八はどうしちゃったアルか?』
不安そうな顔をして俺をのぞきこむ神楽。
新八にも神楽にもいつもの面影は一切なかった。
……きっと俺も、いつもとは違う顔をしているんだろうな……
俺は、俺の返事を待つ神楽の頭をなでた。
黙ったまま俺は奥の椅子に腰掛けた。
そして机の上に足を置き、小声でつぶやくように答えた。
銀時『……反抗期だろ。』
適当に神楽に言った。
……ただの反抗期だったらいいのに……
俺や神楽がそう思うことになる日が案外すぐにやってくる、とは、この時はきっと誰も気付いていなかっただろう。