攘夷志士編
□第3回
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途中で声が切れた。
妙はそうしてうつむいた。
下を見ていて、表情がくみ取れない。
どうかしたか?
と俺が聞こうとした瞬間、すすり泣くような音がした。
妙『……1人で…解決しよう…・・・ど…じで……。』
妙がそう途切れ途切れに言った。
下を向いたその顔から、大粒の雫があふれ出しはじめた。
神楽はそんな妙の近くに寄って、そっと妙の背中を叩いた。
……全然なぐさめになってねェよ、神楽。
お前だって泣いてる…。
俺はそう思いながら、自分の視界がぼやけていることに気付いた。
調子が悪いのか?と思って目をこすると、その手は濡れていた。
もらい泣きだ!って自分に言い聞かせ、妙から目線をそらす。
けどそれは俺の涙腺にさらに刺激を与えた。
一度自分の目を拭くと、なんだかスッキリする。
これで大丈夫かって思って前を向くと、号泣する女が2人。
これにつられて俺もうるり。